杜氏×管理栄養士が選ぶ!日本酒とのペアリングが楽しめる相性抜群の料理レシピ
ビールには味の濃い料理を、白ワインには色の薄い料理を、といったようにお酒には相性がよい料理がありますよね。もちろん、日本酒にも相性がよい料理があるのですが、ひとくくりに日本酒としてしまうのは、いささかもったいないかもしれません。
実は、日本酒にもたくさんの種類があります。それぞれの日本酒の特徴や味わいにあった料理を選ぶことで、日本酒のおいしさがさらに引き立つのです。
そこで今回は、当蔵の来楽シリーズのラインナップの中から杜氏・茨木幹人がセレクトした日本酒に合わせた料理をペアリング。レシピと合わせて簡単なペアリングの知識もお伝えします。日本酒を気軽に楽しむきっかけにしていただければと思います。
目次
●来楽 山田錦 純米吟醸58×豚ヒレ肉ソテーマーマレードソース
●来楽 本醸造×イカと菜の花のわた炒め
●来楽 花乃蔵 月下美人×白身魚のカプレーゼ風
●来楽 大吟醸35×季節のフルーツとモッツアレラチーズのサラダ
●日本酒と料理のペアリングを楽しむ方法
●まとめ
●来楽 山田錦 純米吟醸58×豚ヒレ肉ソテーマーマレードソース
「来楽 山田錦 純米吟醸58」には、バターでしっかりソテーした豚ヒレ肉をあわせました。マーマレードを使い、甘酸っぱい味付けに仕上げることで、お酒にもよくあう味になっています。
◇材料(2人分)
・豚ヒレ肉…300g
・塩こしょう…適量
・小麦粉…適量
・バター…20g
★赤ワイン…大さじ2
★しょうゆ…大さじ1と1/2
★マーマレード…大さじ1
◇作り方
1.豚ヒレ肉を2cmの厚さにカットし、包丁の背で叩いて1cmくらいまで伸ばす。そのあと、全体に塩こしょうを振っておく。
2.豚ヒレ肉に小麦粉を薄くまぶし、バターを溶かしたフライパンに入れて焼いていく。(弱めの中火)
3.焼目がついたらひっくり返し、フタをしてさらに5分くらい焼いていく。
4.フタを開けて、★の調味料を入れて煮詰める。とろみがついたら皿に盛り付けて完成。
◇ワンポイント
マーマレードの量はお好みで調整してくださいね。ゆず茶(ジャム)でも代用できます。お好みのジャムを使ってください。
◇杜氏セレクトのお酒
来楽 山田錦 純米吟醸58(精米歩合58% 中辛口)
山田錦を原料に、9号酵母で醸した純米吟醸です。コクと熟成感のある味わいに、青りんごのようなフルーティーな香りと白桃のようなほのかな甘さが特徴です。鴨料理やカラスミ、タコにも良く合います。冷酒~燗まで楽しめます。
●来楽 本醸造×イカと菜の花のわた炒め
「来楽 本醸造」に、イカのわたをつかったコクのある炒め物をあわせました。菜の花のほろ苦さとイカのわたは相性抜群です。新鮮なイカを見つけたら、ぜひ作ってくださいね。
◇材料(2人分)
・イカ(丸ごと)…2杯
・菜の花…1束
・にんにく…1片
・油…適量
★しょうゆ…大さじ1
★酒…大さじ1
◇作り方
下準備
・イカの胴体に指を入れ、くっついている部分を切り離す。目のあたりを持ってゆっくりと引き抜き、わたを切り離しておく。ゲソも使用するので、目の下あたりで切り離しておく。
・にんにくはみじん切りにしておく。
1.イカの胴体は輪切りにして、ゲソの吸盤が気になるようなら包丁の背でこそげ落とす。
2.菜の花は3cmくらいにカットする。
3.熱したフライパンに油とにんにくを入れ、香りが立ったらイカを入れて炒める。
4.イカに火が通ったら菜の花を入れ、軽く炒める。
5.わたと★の調味料を入れて、全体に絡めたら完成。
◇ワンポイント
わたの風味が苦手な方は抜いても大丈夫です。わたは2つありますが、好みで増減してくださいね。
◇杜氏セレクトのお酒
来楽 本醸造(精米歩合68% 辛口)
唯一の辛口。新潟県の淡麗辛口のような味わいをイメージして造ったお酒です。味の幅やボリューム感が少なく、キレやのど越しのよさを好む人におすすめ。定番の辛口の酒としてお楽しみください。常温~燗がおすすめですが、冷酒もありです。
●来楽 花乃蔵 月下美人×白身魚のカプレーゼ風
白身魚には、吟醸酒の中でも特に生酒とあわせるのがおすすめです。今回は、「来楽 花乃蔵 月下美人」をセレクト。すっきりとした味わいを邪魔しないよう、あっさりとした白身魚をカプレーゼ風に仕上げとお料理と合わせました。
◇材料(2人分)
・白身魚切り身(タイやタラなど)…2切れ
・塩こしょう…適量
・小麦粉…適量
・オリーブオイル…適量(多め)
・モッツアレラチーズ…1/2個
・ミニトマト…2個(好みで増減可)
・バジル…適量
◇作り方
下準備
・魚の切り身に塩こしょうを振っておく
・ミニトマトを半分にカットしておく
・モッツアレラチーズ1/2個を半分に切る(輪切り)
1.魚の切り身に小麦粉をまぶして、オリーブオイルをしいたフライパンに入れて皮目から焼いていく。
2.皮目がパリッと焼けたら、上にモッツアレラチーズを乗せて、周辺にミニトマトを置き、フタをして身に火が通るまで蒸し焼きにする。
3.皿に移してバジルを乗せたら完成。
◇ワンポイント
多めのオリーブオイルで焼くことで、カリッと仕上がります。魚は白身魚以外では、鮭を使っても合います。
◇杜氏セレクトのお酒
来楽 花乃蔵 月下美人 純米生原酒(精米歩合65% 弱辛口)
月下美人の花から分離した酵母で造ったお酒です。フルーティーで清涼感のある香りが魅力。さわやかな酸が特徴で、すっきりとした味わいで飲みやすいです。香草やレモンなどの柑橘類の香りによく合います。白身魚や鰆、雲丹、太刀魚によく合います。
●来楽 大吟醸35×季節のフルーツとモッツアレラチーズのサラダ
上品で華やかな香りが持ち味の「来楽 大吟醸35」には、フルーツとチーズを乗せたサラダを合わせました。食前酒と前菜のような感覚でお召し上がりください。
◇材料(2人分)
・ベビーリーフ…1袋
・フルーツ(今回は苺)…適量
・モッツアレラチーズ…1/2個~
★オリーブオイル…大さじ2
★酢かレモン汁…大さじ1
★塩こしょう…適量
★砂糖…少々
・ブラックペッパー…お好みで
◇作り方
下準備
・ベビーリーフは洗って水気を切っておく
・フルーツは食べやすい大きさに切っておく
1.★の調味料をあわせてドレッシングを作る。酢にオリーブオイルを少しずつ加えながら、泡立て器でよく混ぜる。塩こしょうと砂糖を入れて、味を調整する。
2.皿にベビーリーフとフルーツを乗せ、モッツアレラチーズを手でちぎりながら乗せる。上から1のドレッシングと、ブラックペッパーを振りかけたら完成。
◇ワンポイント
ドレッシングを作る時間がなければ、市販のフレンチドレッシングでもOKです。
◇杜氏セレクトのお酒
来楽 大吟醸35(精米歩合35% 中甘口)
上品で華やかな香り、甘みのあるすっきりとした味わい。お料理の味を引き立てるので和食を問わず、幅広い料理と一緒にお楽しみいただけます。口の広いグラスで飲んでください。冷酒でどうぞ。
●日本酒と料理のペアリングを楽しむ方法
ご存知かもしれませんが、ひとくちに日本酒といってもさまざまな種類があります。大きく分けると、「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の3つになるのですが、それぞれ相性がよい料理があるのでご説明しますね。
・純米酒…ふくよかでコクのある味わいが特徴です。こちらのお酒にあわせるなら、こってりとした味の濃い料理がおすすめ。分かりやすく言うなら、白ごはんにあうおかずは純米酒にぴったりなのです。
・本醸造酒…キレがよくのどごしがよい、いわば辛口のお酒です。どんな料理にもあうのも特徴。塩辛い料理や脂っこい料理ともよくあい、料理のおいしさを引き立たせてくれます。
・吟醸酒…フルーツを思わせる、華やかな香りと爽やかな味わいが特徴です。それゆえに、味の濃い食事とあわせると、吟醸酒のよさが損なわれてしまいます。食前酒・食後酒にしたり、淡白な味わいの料理とあわせたりしましょう。
●まとめ
日本酒の種類やその特徴に合った料理を選ぶことで、お互いのよさが引き立ちます。日本酒は玄人好みで難しそうと思われがちですが、もっと気軽に楽しんでいいのです!今回のペアリングや日本酒の種類ごとの選び方を参考にして、お料理に合いそうな1本をまずは選んでみましょう。色々試してあなたのベストペアリングを見つけてくださいね。お気に入りの日本酒が見つかりますように。
<レシピ提供・解説>
相田すみ子(管理栄養士)