日本酒にぴったりな海外チーズベスト5

明石の酒蔵、茨木酒造です。日本酒に合うお料理やおつまみというと、刺身や焼き魚、塩辛、和え物などを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ところが、最近は、日本酒にチーズを合わせる楽しみ方が注目を集めています。東京では、本格的なチーズと日本酒を日常的に楽しめるバーも登場しているそうですよ。とはいえ、日本酒もチーズもたくさんの種類がありますから、いきなり無差別に選んでペアリングしてみるのは少し勇気がいるかもしれませんね。
そこで、今回は、茨木酒造が日本酒とチーズのペアリングを検証!杜氏の人生観が変わったという日本酒とチーズの新しい楽しみ方をご紹介します。主観ですが、ランキング形式にしていますので、日本酒とチーズのペアリングにチャレンジする際の目安にして、ぜひあなたのベストペアリングを見つけてください。

目次

●このような日本酒とチーズで検証します
・用意したチーズ
・用意した日本酒
●ペアリングするチーズの紹介
・ソフト系のチーズ
 ・カマンベール
 ・ブリー・ド・モー
・ハード系のチーズ
 ・ミモレット
 ・コンテ(2種)
・その他のチーズ
 ・スティルトン(ブルーチーズ)
 ・クロタン(シェーブルタイプ)
●ペアリングする日本酒の紹介
・来楽 大吟醸35
・来楽 花乃蔵 月下美人 純米生原酒
・来楽 花乃蔵 アベリア 純米生原酒
・来楽 純米生原酒
・来楽 山田錦 純米吟醸58
●日本酒にぴったりな海外チーズベスト5!
・5位 カマンベール×来楽 大吟醸
・4位 クロタン×来楽 純米生原酒(3種)
・3位 コンテ×来楽 山田錦 純米吟醸58
・2位 ミモレット×来楽 山田錦 純米吟醸58
・1位 スティルトン×大吟醸
●まとめ

●このような日本酒とチーズで検証します

日本酒とチーズの組み合わせというと意外に思うかもしれませんが、どちらも発酵食品という共通点があり、実はとても相性が良いのです。一緒に味わうと、互いに旨みを引き立て合うので、美味しさの相乗効果が生まれます。
今回は、海外から取り寄せた本場のチーズを使って、当蔵の来楽とのペアリングを検証していきます。

用意したチーズ

・ソフト系のチーズ2種(カマンベール、ブリー・ド・モー)
・ハード系のチーズ3種(ミモレット、コンテ2種)
いずれもインターネットで海外から個人輸入したもの。本場のチーズは、海外の通販サイトから簡単にお取り寄せできるので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
→日本酒を造る杜氏(とうじ)が教える!日本酒に合う海外製チーズの購入方法

用意した日本酒

・来楽 大吟醸35
・来楽 花乃蔵 月下美人 純米生原酒
・来楽 花乃蔵 アベリア 純米生原酒
・来楽 純米生原酒
・来楽 山田錦 純米吟醸58

 

兵庫が誇るお米の代表銘柄「山田錦」など、日本酒のために丁寧に育てた米を使用した来楽の銘柄でおなじみの地酒。9代目オーナー杜氏である茨木幹人が昔ながらの手づくりでつくっています。来楽のラインナップの中から、特にチーズに合いそうな5種類をピックアップしました。
チーズを食べるときは、クラッカーなどが必要だと思うかもしれませんが、今回は日本酒とチーズそのもののペアリングをメインにしていきます。

●ペアリングするチーズの紹介

まずはペアリングするチーズを紹介していきます。

ソフト系のチーズ

カマンベール


みなさんがよく知っているチーズの代表的なものがカマンベールだと思います。カマンベールは、フランスのチーズでパリ郊外の東部にあるブリー地方のモー村で作られている「ブリー・ド・モー」の製法が元になっていると言われています。表皮が白カビに覆われていますが、内部はクリーム色でトロリとした濃厚な味わいを楽しめます。誰にでも食べやすい人気のあるチーズです。
馴染みのあるチーズということで日本酒とのペアリングを楽しめると思い、選んでみました。

ブリー・ド・モー


パリのブリー地方を代表する白カビタイプのチーズです。熟成すると中身がトロリとなって、品のある味わいになります。
その味わいはチーズでできたお菓子とも言われているほど。日本で白カビチーズと言えばカマンベールですが、ブリー・ド・モーはカマンベールよりも歴史があり、古くから高い評価を得ています。

ハード系のチーズ

ミモレット


ミモレットは、オランダのエダムチーズの製法をまねて作りはじめたというチーズです。オレンジのような色や、ダニをチーズの周りで繁殖させるという独特な製法が特徴。濃厚なミルクの香りと発酵食品ならではの香りも伝わってきます。ちなみに、ミモレットはカラスミの味がするともよく言われます。

コンテ(2種)


長期保存を目的として作られたハードタイプの大型チーズです。フランスでは認定チーズの中でもっとも生産量が多く、広く親しまれています。
風味とコクは濃厚ですがしつこくはなく、熟成するほどに甘みが増していきます。若いうちは表皮が黄色ですが、熟成が進むと茶色になるという特徴もあります。
今回は、熟成期間に違いがある2種類を用意して、食べ比べしました。

その他のチーズ

スティルトン(ブルーチーズ)


牛乳から作られているブルーチーズです。青かびの臭さよりも塩味と旨みが強いので、ブルーチーズが苦手という方でも食べやすいでしょう。ブルーチーズでありながらも、全体的に黄色いという特徴もあります。

クロタン(シェーブルタイプ)


ヤギの乳を使って作られたチーズです。同じく羊乳を原料とするゴルゴンゾーラに似た匂いがします。クロタンの名前の由来はいくつかありますが、そのひとつが「馬や羊のフン」。これは臭いではなく、見た目が小さくコロンとしているところからきています。

●ペアリングする日本酒の紹介

次にペアリングする日本酒を紹介します。

来楽 大吟醸35

華やかで上品な香りと、甘みのあるすっきりとした味わいが特徴です。料理の味を引き立てるので、幅広い料理と一緒楽しめます。

来楽 花乃蔵 月下美人 純米生原酒

フルーティーで清涼感ある香りの弱辛口純米生原酒です。米の甘味は下支え的なので、シャープさやキレの良さを感じられます。

来楽 花乃蔵 アベリア 純米生原酒

花酵母を使った生原酒です。余韻の長いフルボリュームタイプで、洋ナシやメロンを思わせる華やかな香りが特徴です。ワイングラスで冷酒として楽しめます。ロックもおすすめです。

来楽 純米生原酒

搾ったあとで加熱殺菌や炭濾過を行わずに瓶詰した純米生原酒です。酸のしっかりしたタイプで濃醇。五百万石の特徴とも言える広がり過ぎない味わいも楽しめます。

来楽 山田錦 純米吟醸58

山田錦×9号酵母の純米吟醸酒です。旨みの強い熟成系のお酒。青りんごのようなさわやかな香り、白桃のような優しい甘味があります。味の幅は広くないので2杯3杯と飲み進みやすいのが特徴です。

●日本酒にぴったりな海外チーズベスト5!

いよいよ、日本酒に合う海外チーズのベスト5を発表していきたいと思います!

5位 カマンベール×来楽 大吟醸


カマンベールとのペアリングでおいしかったなと思うのが、「大吟醸」です。このチーズには2大吟醸香の一つであり、りんごなどの香りによく例えられるカプロン酸エチルの香りがするお酒、つまり「大吟醸」に合います。
これは海外から輸入した本場のカマンベールなので、そもそも私たちが普段食べている市販のカマンベールとは違う旨さが詰まっていました。このやわらかさとミルクの濃厚さを、大吟醸が増してくれるという感じです!
同じ白カビチーズの「ブリー・ド・モー」も来楽の大吟醸に良く合います。

4位クロタン×来楽 純米生原酒(3種)


クロタンと相性の良かったペアリングは、生酒系のお酒です。
そもそもどれが良かったというわけではなくて、生酒系ならどれも良く合います。ヤギのチーズならではの独特の香りのあるクロタンと生酒のペアリングは、すごく面白かったです。当蔵のお酒だけではなくて、どこの蔵の生酒でもいいでしょう。自分好みの生酒と合わせてみるのも楽しいと思います。
クロタンに限らずヤギのチーズ全般と生酒が合いそうですので、ぜひ試してみてくださいね。

3位コンテ×来楽 山田錦 純米吟醸58


5位のカマンベールと、4位のクロタンとは違い、「コンテ」はセミハード系チーズなので旨みが強いことが特徴です。食べると分かりますが、ジャリジャリとしてアミノ酸の旨みが広がってくるので、合わせたいお酒としては山田錦の純米吟醸58になりました。
熟成感のあるお酒と合わせると、コンテの旨さやミルク感が引き立ちます。コンテは香りが少し強いので、日本酒好きな方は芯の強いお酒と合わせるといいでしょう。

2位ミモレット×来楽 山田錦 純米吟醸58


ミモレットはハード系のチーズなので、どんどん食べると旨みが広がる前になくなってしまいます。ゆっくりと噛んで味が広がってくるまで少し待ってください。旨さが少し遅れてやってくる感じがするでしょう。
コンテよりも旨みが強くて、カラスミを思わせる和風のような旨みもあるので、僅差ではありますが、コンテより山田錦の純米吟醸58に合うという結果に。このような旨みの強いチーズには、先ほどの香りが華やかなお酒ではなくて、来楽でいうと「来楽 山田錦 純米吟醸58」のような旨みが強いお酒とよく合います。
コンテと合わせたときよりも幸福度が高いということで第2位になりました!

1位スティルトン×大吟醸


第1位は、スティルトンと大吟醸です!
1番初めに試したペアリングですが、この感動はやっぱり試してもらわないと分からないと思います。大吟醸は、上品で洗練されており、香りが華やかなお酒。香りにクセがなく、塩味とミルクの旨みがたっぷりなチーズとは良く合います。これは絶対にペアリングすべきですね!
このペアリングに、杜氏自身が、人生観が変わるほどの衝撃を受けたということですので、第1位になりました。

●まとめ

今回は、本場のチーズを海外から個人輸入で購入して、当蔵の個性の違う日本酒とペアリングしてみました。皆さんも興味のあるチーズがあれば、お気に入りの日本酒と合わせてみてはいかがでしょうか。
ひとつのチーズでこれだけ盛り上がれるのが、日本酒とチーズのペアリングの楽しさです。
ぜひこのランキングを、ペアリングの目安にしていただけるとうれしいです!

 

ぜひ自分のベストペアリングを見つけてみてくださいね!日本酒とチーズのペアリングで、日本酒の世界がさらに広がります。

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